ストレリチア秘話No.306 名品の価値維持とストレリチア

 名画「モナ リザ」に細かいヒビが入り始め、そろそろ修復をしなければ、の状况にきているらしいのですが、博物館側がお宝の扱いに慎重で、なかなか進行しなくて困っているとのニュースが伝えられています。いかに名画であろうとも,長い年月の劣化は避けられないのですね。硬い石の影刻できえ風化の心配をしているようです、丈夫で変質しそうもない胸磁器さえ、不手際で割られてしまうことがあるのですから、永久に長持ちするものなど、この世にはないのでしょう。

 やたらには壊れない物質と違って、植物は生命体ですから、寿命は短いと思われがちですが、中には、物の劣化よりも長い寿命のものもあるのです。ストレリチアは絵の具で描かれた絵画より長生きするのですから驚きです。このことを改めて自覚しなければならないのではないかが、この章のテーマなのです。

 これを間違えてストレリチアを人手すると,違った方向へ進んでしまうことになりかねません。相手は千年も生きながらえる植物です。下手をすると「一生の不作」となってしまうかもしれないのです。仮に一万円で購入すると、千年で割れば、1年あたり10円です。品質におかまいなく、安ければ良いとする「安物買い」の品では無いことが分かります。

 これだけではありません。植物は殖えるのです。ここが物と違う所なのです。例え、十万円で買ったとしても、二株に殖えれば半分の五万円ずつとなり、やがて一万円に近づいてしまうでしょう。少々、困るのは、生き物は面倒をみなければならないことですが、その点、ストレリチアは手がかからない長所を持っています。株が殖えてきたら,置き場所を分散し、扱いを変えれば、異変が起きても、どれかが生き残れるでしょう。時間と共に安全度が増すのです。

 絵画と違ってベートーベンやモーッアルトの曲は劣化しません。こちらは情報ですから影響を受けないのです。ストレリチアはストレリチアなりの入手の基準があってしかるべきなのですが、今述べたようなことを実践する人は稀です。