ストレリチア秘話No.776 夕焼けに映えるジャンセアの花のオレンジ赤

ジャンセアの花が一番、美しく見えるのは夕方、特に夕焼け時です。ストレリチアの花のオレンジ色が赤っぽく見えるのです。ジャンセアの花は、こんなに赤かったのかと改めて見直すほどの驚きを与えてくれます。

 ストレリチアの花のオレンジ色は花の表皮細胞の花中にある赤と黄色の色素から成立っています。ジャンセアはレギーネより、やや濃い他をしていますが、それでも日中は、比べてみないと区別がつかない程度なのですが、夕日の赤い色を受けると、変身したかのように赤い色が強調されるのです。(色素が濃いのではなく、量が多いのでしょう)

南アフリカ コミティースのレギーネ自生地を訪れた帰り道、夕方、2時間もかけてポートエリザベスへ近づくと通りかかった庭園に赤いストレリチアの花が見えました。ストレリチアに赤い花はなかったはずです。近寄ってみると、やはり、ジャンセアの花で、夕焼けを受けて輝いているのを発見して安心したことを思い出します。

 一時は赤い花を発見したかと胸をときめかしていたからです。アフリカの空は私の故郷の空より広く見えます。景色が広すぎて山並みも遠くて低くみえてしまうのです。でも、一時間近くも続く夕焼け空の赤い色は強烈で、我が家のジャンセアより赤く見えてしまったのでしょう。

 ジャンセアがレギーネから変身したとき、変えたのは葉を失っただけでなく、花の色も濃くしていたのです。