ストレリチア秘話No.315 ストレリチア栽培年による寒さ、施設の差

 2023年、令和5年1月は10年に一度(気象庁発表)の寒波に襲われました。昨年の冬も寒さが例年より厳しく、寒害を受けたので、今年は確かな霜よけをしたつもりだったのですが、それでも不十分でした。

 開花直前の蕾は、レギーネだけでなく、ジャンセアまでやられました。それだけでなく、レギーネの古い葉まで一部分、凍害を受けました。それなのにジャンセアやパーヴィフォリアは平気です。何しろ、凍るべき葉を持っていないのですから。勿論、葉柄は、どの種も大丈夫です。こちらは、この程度の寒さでは凍りません。まだ花粉形成期に至っていない、伸長途中の花芽は無事ですから、少々、遅れはしても、やがて開花してくれるでしょう。もう、こんな酷い寒さは来ないでしょうから。来年は霜除けをもっと厳重にしなければ、と思っています。ストレリチア栽培歴が60年を超えるのに、まだ、このていたらくです。原因はストレリチア栽培の環境を施設に頼ってきたことにあります。

 台風で温室を破壊されて以来、ハウスに頼らず、自然環境での栽培を目指しています。人工の環境では自然に反するのではないかと思うようになったからです。そうなると、凍るか、凍らないか、の境目を、どう探るかが重大なポイントとなってきます。ストレリチアの栽培技術の中では、置かれた環境の違いで、どう対処するかが重点となるようです。