ストレリチア秘話 No.342ストレリチアの標準型 在るべき姿とは

 街で見かけるストレリチア、貸し植木もあるでしょうが、葉も茎も濃い緑でつやもあり、周囲の観葉植物と並んでも、似たような感じです。これは熱帯産の観葉植物と同じ環境で育てられたからです。半日陰に遮光された日光、その上、高温、多湿の中で育てられれば、柔らかで、弱々しい植物体が出来上がります。この環境では光合成は十分ではなく、多くの開花は望めません。

 ストレリチア栽培では、お手本は自生地のストレリチアです。一日中。強い日射と風にさらされ、結果として引き締まった姿が出来上がります。常時、潮風にさらされているフラーズベイのレギーネは特別ですが、普通のストレリチアはみごとな姿を見せてくれています。

 ところで、ストレリチアの緑色は熱帯雨林や温帯雨林の植物と違い、灰色がかかった緑色です。これも二つの色があります。緑がかかった灰色と灰色がかった緑色です。どちらも優劣は無く、個性の差のようなものでしょう。乾燥草原の植物は灰色かかる色彩が多くありますが、これは強い日射と関係があるのかもしれません。勿論、観葉植物扱いされたストレリチアは緑色だけで灰色は消えてしまっています。灰色がかった緑色は、ストレリチア本来の色なのです。