これは買い手にとって大きな問題です。しかし、作り手側にも言い分があるのです。一つの例を上げてみます。現在、私はジャンセアゴールドの実生苗70本養成しています。実は90本あるのですが、冬が近づいてハウスに取り込む頃には20本ぐらいは選抜で除かれてしまうことをみこしているからです。昨年、発芽した頃は600本ありました。それが冬の寒さで多くがやられてしまったのです。不手際には違いありませんが、こんなアクシデントはいつも起きる問題ですから、別に驚いてはいません。まだまだ、開花まで何年も掛かりますから、最後に残り、使い物になるのは2、30本ぐらいでしょう。
実生苗の初花から、選ばれて残るのは、交配によって差がありますが、大雑把には、
・★★★★★ 100本に1本
・★★★ 30本〜50本に1本
・★ 以下7〜8割
これは最後に残った数ですから、発芽時の数はこの何倍もあったことでしょう。このことからいえるのは、最終的に残った優秀品は、それまでに、はねのけられたその他大勢の分の経費を背負わなければならない、ということなのです。
それでも、必ずしも、そうなるわけではありません。こうすると、あまりにも高価になり過ぎるので、ぎりぎり、買えるぐらいの額まで下げる事態も起きてきます。こういう品は「買い得品」なのです。別の事情も起きてきます。直売でなく、中間が入れば、事情は複雑になってしまいます。
ストレリチアの価格は一筋縄ではないですね。