ストレリチア秘話No.376 植物分類学上のストレリチア

 我が国でのストレリチアの分類上の表現が統一されていないようにみえますので、ここに現代の植物分類学上でのストレリチアを整理してみようと思います。

  • 科 ストレリチア科
  • 亜科 
  • 属 ストレリチア属
  • 種(小種名) レギーネ、ジャンセア(パーヴィフォリアは中間種であって原種ではない)ニコライ、アルバ、コウダータ(大型種)
  • 亜種
  • 変種
  • フォーム(型)黄色(基本はオレンジ色)


 亜科、亜種、変種は項目だけでいまのところ、存在はありません。また、これらの呼称は自然の原種に対してのもので、人工交配種は含まれません。

 南アフリカ ポートエリザベス セントジョージパーク園長だったジョンシェルトン氏が、セットラーズ パークに植えられていたジャンセア黄色原種を

「イェローフォームストレリチアは特別な株です」

と話していた声が今でも耳に残っていて忘れられません。私は、すっかり惚れ込んでしまい、シェルトン氏に頼み込んで、掘り上げ、株分けをしてもらい、日本へ持ち帰りました。ところが、残念なことに、これだけが枯れてしまったのです。

 その後、自然交配で生まれた小苗を入手しました。現在の「パーヴィフォリア セットラーズパーク」で、これから、続々とジャンセア ゴールドが誕生してきています。いっしょに掘り上げたジャンセアオレンジは無事で、「ジャンセアユイテンハーグ」と命名され、今では、ジャンセアの最高品種として高く評価されています。ストレリチア コレクター(といっても3,4人しかいませんが)の間では、「これを持たなければ一人前ではない」とささやかれる程の存在になっています。

 これとは別に私が南アフリカから持ち帰ったレギーネの「ゴールド A」と「マンデラスゴールド」も原種ですから「ストレリチアレギーネ イェローフォーム」となります。これらは、今となると「伝説上の存在」になってしまった、といえるでしょう。