ストレリチア秘話No.379 意外に困る、ミノ虫の害

 ストレリチアに害を与える害虫は何種類かいます。一番、困るのはカイガラ虫ですが、意外と、ミノ虫の被害もなかなかなものです。季節は秋、夏に育った新しい葉が、気がつくと小さな穴が点々とあけられて、無惨な姿となってしまっているのを発見して然とする事態が発生します。空いた穴は修復されることはありませんので、そのまま、次の成長期までの長い間、哀れな姿を見続けなければならなくなってしまうのです。時には、葉柄まで被害を受ける事さえ起きてきます。

犯人はミノ虫です。体長は1センチ少々、枯れ葉の断片を、身にまとった薄い茶の虫です。大抵の青虫は大量に発生して被害を大きくするのですが、ミノ虫は、わずか1,2匹、多くても3,4匹ぐらいしかいないのですが、これで十分、暴れ回るのです。数が少ないのですから、一枚の葉に集中してくれれば、被害は大したことにならないのですが、鈍重な姿ながら、意外と動き回って被害を広げるのです。まず、最初の葉に取り付いて穴をあけて食害を始めます。主人のストレリチアは被害に気がついて、それ以上やられないよう、苦い成分を生産してして対抗します。そこで犯人は味が悪くなってきたので食べるのを止めて、次の新しい葉に移って被害を広げてゆくのです。

 対策は簡単です。見回って葉の裏側にぶら下がっているミノ虫を見つけて指でつぶせばよいのです。殺虫剤を使うなんて大げさなことは必要ありません。何しろ、相手は2,3匹しかいないのですから。

 栽培で、一番、求められるのは、ストレリチアと対話することなのです。しょっちゅう見回ってストレリチアに親しんでいれば、どんな被害も最小限に食い止めることが出来るのです。何もしないで、ただ、眺めているだけ、実は、これが一番、大事なことなのです。