ストレリチアは高価な花の一つです。私がストレリチアと関わるようになったのは 1950年代の初めですが、その頃、国産はなく、ハワイから空輪されてきたストレリチアの切り花が 500円もの価格だったので新聞のニュースで話題になりました。当時のサラリーマンの初任給が一万円でしたから、現代は 20倍として、500円は一万円に相当します。これは小売り価格だったかもしれませんが、その後も1960年代も市場価格で500円していました。
それだけ生産が少なかったのでしょう。次の70年代になると300円となり、その後は200~300円の時代が永く続きました。現在では100~200円というところでしょうか。
ストレリチアの切り花価格は、年間を通じて大きな変動はありませんが、それでも正月を控えた年末は、ひときわ、値上がりします。正月の活け込みに、おめでたい花として需要が多いためです。1960年から 1970年頃の「酉年(とり年)」を控えた暮れは、驚くほどの高値で取引きされました。まさに、奪い合いの状況で、花屋さんは、お客さんの要望に応えるために値段に構わず、入手に奔走したのです。それが近頃では、そんな動きが陰を潜めてしまいました。お客さんの層が若くなって、そんな縁起を担ぐ人が少なくなってしまったのです。時の流れは人々の気分まで変えてゆくようです。
将来の価格の見通しですが、小売り価格は相変わらず高価が続くと見ています。これは、例え、一時期だけ市場価格が下がることがあっても、花屋さんは小売価格を下げることはしません。値が下がったからと多く仕入れることはしないのです。必要量以外は売れませんから。それよりは花の価値を維持するためには高価でなければならないのです。
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