ストレリチア秘話No.397 生長過程を繰り返すストレリチア

  ジャンセアゴールドの出現第一号を分け株を切り離して独立させたのが2年前でした。

 この個体は、なかなかの優秀花で★★★★★星クラスだったので大切に扱ったのです。

 ストレリチアの増え方は二通りあります。一つは株が二つに分かれことで、これが一般的な増え方ですが、もう一つは、分かれるのではなく、子株が出てくることですが、こちらは、そう多くは出現するわけではありません。この第一号は子株として出たもので、割と大きめの葉を付けていました。親株はジャンセアの小葉種で、葉幅は1cmだったのに、子株は3cmもあり、子供の頃の姿に戻っていました。2年後、この辺りに置いたはず、と探しても、なかなか見つかりません。やっとのことで「これではないか?」と探し当てたのは、なんと葉幅1cmの株でした。2年のあいだに親の姿に戻っていたのです。それなのに私は子供の頃のイメージで探していたので気がつかなかったのです。

 ジャンセアやパーヴィフォリアは、小苗の頃は葉が大きく、レギーネと区別がつきません。

 本葉が12枚目あたりから、ようやく本来の姿を現してきます。この、子供の頃に大きな葉を付けるのは、先祖からの進化の過程を再現しているだけだと思っていたのですが、どうも、それだけではないらしいと気づかされたのです。分け株の場合は、決して幼くはないのです。

 小さいだけなのです。これは小さい体を大きく育てるために、光合成に有利な大きな葉を持たせたと見てよいのではないでしょうか。

 そうこうしているうちに大きく育って、本来の「在るべき姿」に戻っていたのに、私が気づかなかったのです。