前にストレリチアの花の鮮度はメシベに現われる、と述べました。次は「2番目は花弁に現われる。青紫色が褪めて白っぽくなってしまう」ことです。咲き始めの花弁は、鮮やかな青紫色に輝いていますが、日光にあたると翌日は、もう、色が褪めてきて、やがて白くなり、お世辞にも、キレイとは言えない状況になってしまいます。日光がさんさんと降り注ぐ環境に生まれながら、なぜ、こんなに光に弱いのか、その理由がわかりません。何か、事情があるのでしょうか?
ストレリチアの植物体は硬く、丈夫に出来ていても、花は生殖器官ですから、デリケートなのはわかります。ストレリチアの花は、開花適温が25度でも、30度、40度の高温では進行が早すぎて障害が出ます。却って、低温の方が、時間が掛かっても安全なのです。
ストレリチアの花の典型的な姿は、2輪開花した状態ですが、この時は、すでに1輪目の花の花弁は色が褪めてきています。手の施しようがないのです。本来の青紫色を見てもらうには、一輪目の開花で朝、切って(花は夜、咲くことが多いのです)日があたらない場所に置いておくしかありません。それにしても、この花弁の青紫色は、訪れてくれるサンバードへ蜜の在りかを知らせるガイドマークなのに、その働きを弱めてしまうことに首を捻ります。自然の摂理に反することなので納得出来ません。自生地ではどうだったのか思い出せないのです。また、当時は、そこまで気が回らなかったのでしょう。或いは、日本だけの現象なのでしょうか。それなら原因の究明ができるのですが。私の一方的な記憶では、自生地では、問題となるような変色にまでいたっていなかったのではないかと思うのです。だから、記憶に残っていないのだと。
ストレリチアの花は、萼片や苞は丈夫で、多少のことにはビクともしませんが、花弁だけはデリケートなので気を使います。