ストレリチア無茎種は3種ありますが、それぞれ個性が違いますから育て方から扱い方に差があります。それを心得ていないと上手く栽培が出来ません。栽培技術の向上には主にこの点が重要になります。
3種と言っても、大きく分ければ、レギーネとジャンセアの二つに分けると良いでしょう。
パービフォリアは両種の中間種ですが、どちらかと言えばジャンセアに近いとみた方が良いといえるでしょう。それでも葉の大きさによって差があります。
違いがあると言っても、レギーネは楽です。葉が大きく、水分の蒸散も多いので一般の植物の扱いに近いからです。そこへいくとジャンセアは、葉が無いために蒸散が少なく、その上、生長が遅いのが特徴です。この遅さが大問題なのです。ここが普通の植物との大きな違いで、付き合うのに一番、抵抗がある点なのです。
わたしに取っては一番好きで扱いやすいストレリチアですが、それは余り手が掛からなくて済む点だからなのです。高齢になると頻繁に面倒を見るのが、おっくうになりますのでちょうどいいのです。とは言っても植物をあつかうのですから、ほどほどには面倒を見たいのですから、それにはちょうど良いペースなのでしょう。でも、この点が若い人には合わないのかも知れません。
ここの所へ来てジャンセアの植え替えを始めました。生長が遅いため、植え替え頻度も少ないのが特徴なのですが、改めて気づかされました。ジャンセアは、やたら株分けなどしないで、大株仕立てをした方がいいということです。ジャンセアは花立ちが良くないのは、生長が遅くて,中々養分が貯まらないのが原因ですから、ゆっくり、大株仕立てにすべきなのです。そうすれば楽に花を付けてくれます。ジャンセアと付き合うには長い時間が必要なのです。だからこそ高齢者に向いているのです。勿論、持ち時間は短くなっているのは確かなのですが、時間の必要性が分っているのです。そこにこそジャンセアとの付き合いかたのコツがあったのではないでしょうか。
硬いクチン質に覆われた姿は丈夫に出来ていて、時には植物ではなく鉱物では無いかとさえ思えるほどです。それなのに、ひとたび花を咲かせれば、一般の植物を足下にも寄せ付けない美しさを表わすのです。こんな植物は我々の住む温帯にはありません。南アフリカのような乾燥地帯の産だからでしょう。その珍しさ、奇妙さに惹かれて、私は虜にされてしまったのです。
