ストレリチア秘話No.280 ストレリチア 原種から交配種への移行

 ここでいうストレリチアとは無茎種 (小型種)でレギーネ他を指します。 人工による栽培が進んできますと、ストレリチアは、 自然の原種からは遠くなり、交配種が多くなってきています。これが形質に影響を与えないはずがありません。

 私は育種のため、毎年、種子を採取していますが、年を追う毎に一莢から採れる数が減ってきいるのです。 南アフリカの解説書では、「ストレリチアの種子は一莢に 60粒入っている」とあります。確かにオレンジ系だけの頃は、これに近い数が採れていました。 しかし、黄色系の交配が始まると減り始め、 ジャンセア ゴールドに至ると0から2,3粒程度が多くなり、 多い莢でも 10粒を超えるのは少なくなってきました。 これは明らかに生殖能力の低下を表しています。 これは一般の人には関わりの無いことですから、たいしたことではないとしても、他にも変化が生じているかもしれません。 今のところ、 はっきりしていないだけです。 花立ちの点では、交配種は文句なく優れています。 その他、改良された部分は多くあります。 それだけに欠点も生まれているのではないかと心配しているのです。