ストレリチア秘話No.317 ジャンセアゴールド誕生の道すじをたどるその2

・ジャンセアゴールド第一代

そこで、いよいよ、黄色種の作出にかかり、二通りの方法で試すことにしました。

〈1〉花粉親にゴールドクレスト

 パーヴィフォリアにレギーネを交配すれば、大部分はパーヴィフォリアになるだろうが、多くの数の中からは、少数ながらジャンセアが生まれるだろう。〔二代前の片親はジャンセアですから〕それに、花色の黄色も或る程度の割合で出るだろう、との思いから種子は多めに採りました。結果は、私の願い通り、とはなりませんでした。小葉系の黄色は出ましたが、無葉を期待した苗は、すべてオレンジで、その頑固さにはあきれてしまいました。この組み合わせの相性は、よい、とはいえなかったようです。

〈2〉自家受粉(メンデルの法則の応用)

ストレリチアがメンデルの法則に従ってくれるなら、何割かは黄色が出るかもしれない、と採用したのです。あまり期待しなかったので。種子は20粒ぐらいしか採らなかったと思います。ところが開花してから驚きました。黄色の割合が多く、ジャンセアらしい無葉も出て、結果は成功だったのです。そこで気づきました。メンデルの法則は、えんどう豆が対象であって、ストレリチアは全面的に従うわけではないということでした。でも、気がかりはありました。全体に薬柄が細かったことです。

•ジャンセアゴールド 第二代
そこで〈1〉と〈2〉の長所を生かし、欠点を補正すべく両者を交配して誕生したのが「第二代」で、これが現在、主力となっています。
1,苞の美しい花が多い
2,花立ちに優れている
3,今までのジャンセアより成育が良い(早い)
4, 矮性種まで登場してきた
と、数々の長所に恵まれています。この品種は、今後のストレリチアの世界で重要な地位を占めるであろうと思っています。このことから言えるのは、親株の「セットラーズ パーク」が交配親として、如何に優れていたかを物語っていることです。

•ジャンセアゴールド 第三代
第二代の長所を、もっと強化しようとするのが第三代ですが、これは、まだ苗の段階で結果を見るに至っていません。しかし、今までの経過からみると可能性は大いにあるとみています。
1, 苞の美しさはストレリチアの中で最高であること
2,花立ちの良さは文句ないこと
3,出来れば、やや矮性で扱い易いこと
4,開花期を分散すること
5, 極矮性種の出現の増加


これらが夢で終わらないことを願っています

パーヴィフォリア セットラーズパーク