ストレリチア秘話319 ストレリチアの花の神秘

 ストレリチアの花は、鳥の頭を真似た、実に奇妙な形をしています。ファンは、これに魅せられてしまうのですね。いや、一番は人間では無くてサンバードです。花は彼らの食料である蜜を用意して待っていてくれるのですから。自然は、この作業がスムースに進められるよう、様々な工夫をこらしてくれています。

形を別にして色彩をみてみますと、各部分が夫々、違う色で成り立っています。遠くから見て一番、目立つのは花弁(実は専片)のオレンジ色(稀には黄色)です。サンバードはまず、これでストレリチアの花の存在を知ることでしょう。花に近づくと青紫色の花弁〔本物)が見えてきます。草花にやってくるミツバチなどの昆虫は、青い色が好きだといわれますが、鳥も似たようなものではないでしょうか。ただし、青い色は遠くからではよく見えません。

 そこでストレリチアは二段構えの作戦にしたのでしょう。本命は青い色の花弁で、その根に蜜が蓄えられているのですから。

何十万、何百万に一本ぐらい、突然変異で青い色素を失って白色となった花を見たことがありましたが、これは生存上、有利か、どうかは分かりません。もっとも、大型種のアルバは花弁が白いのが特徴となっています。鑑賞上、美的かどうかは何ともいえません。