ストレリチア秘話No.337 分散の妙 ストレリチア栽培

 2023 年の冬は「10年ぶりの寒さ」と天気予報が伝えていました。人は家の中にいるのですから、少々、寒いかな、程度で過ぎたのに、植物は、まともに被害を受けました。家の軒下に置いてあったストレリチアの花芽が凍ってしまった被害が多く出たのです。平年では、無事であったのに、やはり、今年は特別に寒かったのだと改めて気づかされました。

 全く、人の感覚などは頼りになりません。

 それでも、全部が一様にやられたわけではなく、同じ列でも無事に残ったのもあります。

 花芽の生長の度合いによって寒さに対しての抵抗力の差があるでしょうし、また、置かれた位置の微妙な違いもあることでしょう。しかも、わずか30cm奥にあったものは被害を受けていないのです。全体を見回すとモザイク状に花が生き残っています。

 花は年に一回しか咲いてくれません。その年を逃すと来年まで待たなくてはなりません。

 毎年、間違いなく花を見ようとするなら、アクシデントに見舞われることを想定して、置き場を分散しておくことをおすすめします。

 整った設備で加温設備まで備えていれば、こんな気遣いは無用ですが、こんどは、そちらに気を回さなければならなくなってしまいます。そんなことよりは、自然栽培で、生きるか、死ぬかを見極める手立てを講じる方が、手数が掛からず、よほど気楽です。