ストレリチア秘話No.351 ストレリチア種子の発芽 あれこれ 「種子同士にコミュニケーションがあるのではないか?」

 これは学術上の確たる証拠を確かめた話ではありません。ストレリチア種子の発芽に苦労する私の苦しまぎれの「たわごと」と思って下さい。

 2023年7月12日。今回は種子が少なく、わずか60粒で1鉢に播きました。ストレリチア種子は、播種後、1ヶ月で発芽開始しますから、一昨日に1本、昨日が6本と続きましたが、今日が3本とペースが落ちてきました。発芽は30本と見込んでいましたが、これでは20本もあやしいものと心配になってきました。種子の発芽は1ヶ月後ぐらいまで続きますが、やはり、ピークは1週間ぐらいで、あとは半月程度が多いのです。

 鉢内の発芽の分布を見て、はたと気づきました。発芽が鉢の片側半分に編っているのです。

 同じ鉢の中ですから培養土に問題があったとは考えられません。種子もランダムに播いたので違いがあったとは思えません。

 実は、この現象に出会うのは、初めてではなく、いつものことでしたが、今までは数が多かったので、大して気に止めていなかったのです又、1鉢に播く種子が多い鉢が発芽率がよく、少なく搔いた鉢よりも成績がよかった現象もありました。

 そこで無謀にも私なりに仮説を考え出しました。

 「ストレリチア種子は孤立していない。近くの仲間とメッセージのやりとりをしているに違いない。そろそろ、目をさまして発芽しようではないか、いや、オレはまだ寝ていたい、静かにしてくれ、とかのように」

 これなら集団の一年のグループが行動を起こさないのも分かります。しかし、それでも中には独立心が強く、自主的に行動起こす個体もあることでしょう。つまり、種子にも個性があるのだということにもなります。

極端な論を展開しましたが、ストレリチアの発芽は、それほど気を使う作業なのです。