世に誕生花、誕生月の花があるようですが、なぜなのか、の根拠はあいまいで、作者もわかりませんから、その信頼度は低く、まあ、お遊びとして扱われていることが多いようです。
それに引き換え、相性花は滝井康勝氏の提唱によるもので、こちらは、その人の好みによって選ばれたものですから、はっきりとした根拠に基づいています。滝井氏は、植物同士の相性にまで手を広げていますが、ここでは、花と人間との関係にとどめておきましょう。事の性質上、擬人的な表現が多くなりますが、これはしかたありません。
私は、ストレリチアと出会った、その瞬間。「とりこ」になってしまいました。ストレリチアの特徴が、どうこうというのは、後から付けた理屈であって、実際には「一目惚れ」なんです。それが「一期一会」どころか、一生の付き合いになってしまったのです。もともと、縁があったのだ、という昔風の捉え方もあるでしょうが、「なるべくして、なった」といえなくもありません。「日本人は、細やかな情感をもっているから、自然や花に対する感覚に恵まれている」と、よくいわれますが、深く考えてみれば、人類発祥の地はアフリカの大地溝帯であって、ストレリチアは、私達の先祖も親しんだであろう故郷の花なのです。何万年も前にDNAに刻み込まれた記憶が、私によみがえったとしても、何の不思議もありません。
その相性とは、どんなことを指しているのかは、他の章にゆずります

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