ストレリチア秘話No.459 ストレリチアが環境適応度の高さとは柔軟さのことです

 No.452から No.455へかけてストレリチアの特徴は、その環境適応度の高さにあると述べましたが、ここで、もう少し深入りしてみたくなりました。適応とは結果の状態を表わしているのであって、それを支えているのは柔軟さにあると気がついたからなのです。

 実はNo453で紹介したアロエ ハエマンティフォリアの生態が気になってしかたがないのです。ストレリチアとは柔軟さの点で両極にある、とでもいえるほどの開きがあります。

 もっとも、西ケープ州の大西洋岸には、気難しさでは似たような植物が多いのです。きっと、気候のなせる土地柄のせいでしょう。南アフリカのアロエ専門書の解説によると、移植を嫌うこと極端で、違う土地へつれてゆく、なんて、とんでもない。同じ自生地の中でさえ、移されるのを嫌がって、調子が悪くなってしまう、とあります。保守的なんてものじゃありません。自分が生まれ育った場所以外は受け付けない、生きてゆけない、という強情さで、柔軟さのかけらも持ち合わせていないようなのです。

 それに引き換えストレリチアは、どんな国に連れていかれても、なんとか育ってしまいます。それでも、どんなところへ行っても、そっくり同じというわけではありません。環境に合わせているのです。例えば、植える土質によっても反応が変わります。

1, 壌土

赤玉土はじめ、普通の栽培用士で、いわば、標準の生育を見せます。

2,粘土

稲作の水田に多い土で、これで植えたストレリチアは、栄養十分な堂々とした姿に育ちます。これは土が肥料分を長く保ってくれるくれるからですが、間違った化学肥料を施すと困った事態が起きます。悪い成分を抜こうとしても、簡単なことではなくなってしまいます。また、水持ちがよいので、やり過ぎの害も起きやすいのです。それでも、理想的な栽培を目指して試す価値はあります。それには、単用ではなく、土と混ぜれば完璧です。癖のある土ですから使いようです。

2,砂、砂質壊土

水はけが良く、安全で、使い易い土です。ただし、肥料の保ちがよくないので多めにやらなければなりません。葉がやや細く育つのが欠点ですが、乾きやすいので病気の発生はありません。

3,軽石

水はけ抜群ですから乾き過ぎにご用心。肥料分もすぐに流れてしまいます。だから、栽培者の操作次第です。私はジャンセアや矮性種に使っています。大きく育てたくないときにピッタリです。