ストレリチア秘話No.521 ストレリチア栽培のコツは将来の姿を想定すること

 前の章でストレリチアの地植えの間隔について述べました。その誤りの元は将来のストレリチアの姿が想定できていなかったことにあると思っています。今回は鉢植えを取り上げてみましょう。

 ストレリチアに限らず、植物を鉢に植えるには、その鉢に植えられた植物の最終的な姿を想定する必要があります。それに従って、鉢の大きさが決まってくるのですが、初心者の場合は、大きすぎる鉢を、ベテランほど小さめの鉢を選びます。ストレリチアの根は、一旦は乾くのを望みます。それなのに鉢が大きすぎると土の量が多く、湿り気が持続してしまうのに対し、鉢が小さければ早く乾いて扱いやすいのです。

 ストレリチアは生長の遅い植物ですから、鉢は、それに見合った大きさでなければなりません。それなのに、いきなり大きな鉢に植えられても、それに適した大きさにまでは育ちません。それなのに根だけは鉢の大きさに合わせて回ります。そこで次の植え替え時に困ってしまうのです。地上部は、まだ小さいのに、根だけが大きく、バランスが崩れてしまっているのです。次には、又、もっと大きな鉢に植えたとしても、無限に大きくすることはできませんから、どこかでバランスを取る作業が必要となってしまいます。

 ストレリチアの鉢植えは、普通で2~3年、特別の大株仕立てで4~5年が限度で次の植え替えとなります。最初に植える時、この限界時の大きさを想定して鉢の大きさを決めれば良いのです。その時、大抵は根の量が多過ぎ、予定の鉢に収まらない事態が起きますが、遠慮無く、バッサリと切り捨てるのがコツです。ここで甘やかしてはいけません。

 こうすることによって、本来のストレリチアの姿が保たれてゆきます。