ストレリチア秘話No.550 わかっちゃいるけど、止められない 孤高が好きなストレリチアを過密の状態にしてしまう

 我が家のストレリチア圃場は、いつでも過密状態です。少しばかり売れて減ったところで焼け石に水で、すぐに、また、いっぱいになってしまいます。日当たり、風通しを良くしなければ、と思いながらも、ギリギリの間隔で鉢を並べてしまうのです。土地が狭く、設備が小さいので止むを得ないのですが、たとえ、少々、広げたところで、また、いっぱいにしてしまうことでしょう。

 ストレリチア自生地では、お互いが十分過ぎるほどの間隔が開いています。もっと近くてもいいではないか、と思うほど離れているのです。これは多分、ストレリチアが他感作用物質を出して、自分の周りには他人を寄せ付けないようにしているからなのでしょう。

 人工栽培では、そんなことは無視して強行しているのです。「これが、いいわけない」とは思いながらも、自分の都合を優先させているのです。厳密に考えれば、どこかで矛盾が出てくると思いながらも止められないのでしょう。

 ずらりと並んで植えられたストレリチアの集団を見ることがあります。大抵は植えられてから年数を経て大株となり、繁りすぎて姿が乱れてきています。自生地では、こんな哀れなストレリチアを見たことがありません。人工栽培だから起きるのです。

 こうなることは止められませんから、やることは、ただ一つ、途中で手を入れて修正を加えることだけです。