ストレリチア秘話No.741 誇り高く生きるストレリチア

ストレリチアとはどんなを植物なのか追求するのが私の目標ですから、今回は別の面からみてみましょう。

 南アフリカは花の国ですから、国中。どこへ行っても自生の花に出会いますが、ストレリチアの故郷、東ケープ州は特に多くの花に恵まれています。種類は多くても、その生き方となると二つに分けることができるでしょう。一つは孤立しながらも分散している種と、まとまった集団で生きている種です。東ケープ州では、どこへ行ってもみられるのが、アロエフェロックスです。コサ族の人々が薬を切り取ってきて楽前の原料とするので知られていて、どこの原野へ行っても、お目にかかれます。でも、集団で生えているのは見たことがありません。それぞれが分散して、孤立しているのです。その葉を切り集める方も容易ではありません。これは、その種の特性なのでしょう。

 それに引き換え、ストレリチアは、小さいながらも集団で生きていて、孤立しているのはありません。東ケープ州は皆、似たような環境ですから、別な環境でも生きられそうなのに、そうはしないのです。自分の住む地だけを固く守って誇り高く生きているようにみえるのです。しかも、まとまった集団ですから、その地域の植生の占有種であり、また、その地域を代表する代表種でもある欲張った存在なのです。この生き方が私たちの栽培に影響を与えないはずがありません。それがストレリチア独特の習性ととして語られているのですが、元を正せば、この生き方にあったのではないでしょうか。

 独特な花としてアフリカ大陸に誕生し、進化を遂げながら自分が生きられる自生地を開拓し、守ってきたのがストレリチアなのです。それなのに、今や、生きる場所はアフリカに限らず全地球に拡がっています。丸い花でなく、直線で描くシャープな姿が、これからの新しい時代に受け入れられていくことでしょう。ストレリチアと並んで南アフリカの国花となったプロテアは、花は優れていても残念ながら、生育の環境が狭く、夏の高温、特に夜の暑さに耐えられません。オーストラリアやニュージーランドでは育てられても他の地域では無理なので一般化することが出来ないのです。。やはり、世界の花になるにはストレリチアのように幅広い適応性をもっていなければならないのでしょう。

 私たちはストレリチアが好きで愛好家になりました。きっと、ストレリチアの持つ誇り高い魅力に取り付かれてしまったに違いありません。