ストレリチア秘話No.591 ストレリチアの秘密はまだまだ続く

 この章は、よほどストレリチアに関心を持つ人でないかぎり、読む必要はありません。

 それほど実用上の価値がないからです。ストレリチア研究者とは、こんなことに関心を持つのか、と我ながらあきれているほどですから。

 前のNo. 580で、ストレリチアの花の不思議な構造とサンバードの不可解な行動について述べましたが、その続きです。改めてホームページ表紙の写真をじっくりと見直してみました。そこで私はサンバードが花のメシベをつついていたのを発見したのです。メシベには、その跡が、ハッキリと残っていました。

 サンバードは花の蜜を吸うだけではなかったのです。ただし、私には、その行動の意味がわかりません。蜜と同じように甘いのでしょうか、それにしては、あまりにも量が少なすぎます。口直しなのか、或いは、特別な成分で少量でも必要を満たされるのでしょうか。

 分らないことだらけですが、分っていることが一つ、この行動が花粉をメシベに付けることになることです。それにしても、謎の解明どころか、ますます、疑問が増えてしまいました。

 ところで、あの写真には忘れられないエピソードがありました。私が初めて南アフリカを訪れたとき、ヨハネスブルグのヤン スマッツ国際空港に降り立ち、国内線の乗り場へ向かってロビーを歩いていると、観光案内所に飾られていた、あの写真に出会ったのです。

 その時の感激は忘れられません。あの写真は、わたしの宝物となりましたが、今、また、改めてその価値を再発見したところです。元々、楽に入手できたわけではありません。

 「この写真は一枚しかありませんから差し上げられませんが、探せば、まだあるかもしれません。あなたが帰るときに、もう一度お寄り下さい」

 とのことで、ようやく手にすることが出来たのです。その後、二回目訪問の時に、お礼の品を持っていきましたが、その女性に、また会えて、ほっとしたことが忘れられません。