ストレリチア秘話No.653 ストレリチアを庭園に植える場合の配慮

 ストレリチアを庭園に植える動きがますます加速してきているようです。それは結構な事に違いないのですが、私から見ると、今までになかった新しい方法ですから、それなりの配慮が必要なのですが、まだ不足があるように思えます。それは次の3点です。

 1番、気をつけなければならないのが系統です。それなのにレギーネに集中しているのが気になります。それはそれで悪いことではないのですが、寒さ対策を重視するなら、先ず、寒さに強いジャンセアやパービフォリアを選ぶべきなのに、レギーネばかりに集中するのは、未だ、ストレリチアについての知識が不足していると思われて仕方ありません。新しい方法にチャレンジするからには、第一の条件を無視するのは、どうかと思います。レギーネでも耐えられるのが分ってすべきなのが本道といえるからなのです、それなのに自分の好みを優先するのは良いことに思えません。

2番目はストレリチアの待遇、つまり、植える位置です。私は今まで、これが守られた例をみたことがありません。学名レギーネの意味は「女王」です。ストレリチアは女王として大切にされなければ、「ストレリチア本来の美しさを表現してくれません、それなのに、その他、大勢と同じ扱いをしているのが多いのはいいわけがありません。ストレリチアは、その庭園の中の最高の位置に植えてやらねばならないのです。

 3番目は、ストレリチアの花を冬の寒さからどう守るか、これは大問題です。ストレリチアの花は葉や葉柄より寒さに弱いのです。花が咲かなければ植えた意味がありません。どうしても守らなければならないのですが、これが難しいのです。ストレリチアの開花には、最低でも15°Cは必要なのに、真冬は中々、この温度にはなりませんから、なんとかして、この間は凍るのを防ぎ、春の開花を待つしかありません。レジ袋をかぶせてみましたが効果はありません。何か他の方法を考えなければならないでしょう。

 庭園の地植えは、まだまだ、工夫が必要です。