ストレリチア秘話No.625 お買い得 地堀りストレリチア優秀品種

 No.624号でゴールド クレスト矮性種の解説をしましたが、実は、それだけではなかったのです。栽培場には普通の優秀品種も植えられていましたから、ついでに掘り上げてもいたのです。以前の台風で温室を破壊されて以来、自然栽培のままになっていたのを活かすための作業だったのです。それでも、地植えの大株を掘り上げるのは大変な労力がかかります。93歳の私には手に負えませんので孫にやってもらったのです。それでも大株を掘り上げるには時間が掛かりますから、多くの数をこなすわけにはいきません。ほどほどの量しかこなせないのです。結果として大した数しか出来ていません。それだけに掘り上げ品に価値があるのです。

 ストレリチアを手に入れようとする人にとっては、自分の都合を優先したいでしょう。

 でも提供する側にも事情があるのです。完全に出来上がった品が高価格になるのは仕方ないにしても、時には安くても出したい時期もあるのです。ですから、親しく連絡を取り合っているとチャンスがあるのです。良品を手に入れるには、それなりの方法もあるのです。

 兎に角、★★★★星以上の名品であっても、掘り上げたばかりでは、高価でなくても良いこともあるのです。ことは如何にして手に入れるかにかかっているといえるでしょう。

 ストレリチアの大株を掘り上げていて気がつくことは、ストレリチアがいかに寒さに対処しているか、その構造を発見することです。ストレリチアにとって、一番、守らなければばならない急所は成長点です。掘り上げてみて、改めて驚くのは成長点の位置の深さです。この位置なら少々の寒さぐらいは凍ってはこないであろう深さなのです。その位置は地表部からは20cm~30cmもの深さにありますから、根を付けて掘り上げるには50㎝近くまで掘らなくてはならないのです。このために掘り上げる技術にはこれらの配慮に気をつけなければなりません。つまり、大株を掘り上げるには単なる技術以上の感覚が要求されるのです。ストレリチアを相手にするには何と深い知識が求められるのかが思い知らされます。