ストレリチア秘話No.643 ストレリチアのレベル判定

 これは、ストレリチア愛好家にとっては常時、迫られている重要問題です。何しろストレリチアは千差万別この上なく、しかも、美術品と同じように数字で表せるような規準があるわけではないからです。

 私は、余り、詳しくはないのですが、有茎種の大型種は個体差が殆ど感じられないのに、無茎種の小型種だけは無数の変異が有ることが不思議でなりません。これには何か理由があるに違いないのですが、それが何であるのかわかりません。もし、これが解明出来たらどんな興味深いことかと思うだけです。交配種に変異が生じるのは当然としても、原種の段階で既に現われているのは、生存上、何らかの利点があるに違いないので、我々が関心を持つのは当然のことといえましょう。ただ、困るのは、変異と言っても、色々な分野があるので、それを。どう解釈するかは人によって違ってくるので、レベルの判定はストレリチアに対して行っているようでありながら、実は当人が判定されているようなものです。

 それにしても、変異が生存上に影響があるなら、その有効性に向かって改良を進めべきですから、これは、これは大変重視しなければならない問題です。それなのに一般では軽く扱われているのが不思議です。

 美術品の鑑定に関わる人のもっとも大切なのは本物にふれる事だとされています。偽物をいくら数多く見ても役に立たないらしいのです。それなのにストレリチア愛好家には優秀品種にふれて自分の目を肥やす事が出来る人が多くないこことに驚かされます。私の栽培場には優秀品種がずらりと並んでいるのですが、訪れる人は多くても、食い入るように引きつけられて見る人は多くないのです。せっかくのチャンスを活かそうとしていないのです。

 これではストレリチアのレベル判定などは、ほど遠いものです。