ストレリチア秘話No.732 ストレリチア愛好家の人生は出会えた品種で決まります

 前章の変形版です。人生は出会いで決まります。ストレリチアとて変わりはありません。

 二つとない素晴らしい品種と巡り会えたことで、深入りすることになる人もいれば、取り柄のない品種を手に入れたために愛想をつかして離れてしまう人もることでしょう。

 このドラマは相手次第です。優れた伴侶を見つけるのが難しいこと、この上もありません。

 これを簡単なことと考える人には、先ず、チャンスは巡ってこないでしょう。育種を仕事と、する私は、ある意味では、この選手を養成する立場にありますから真剣です。養成する品種は数多くあります。人には好みがあり、また、要求の違いがありますから選択の幅を広げておかなくてはならないのです。勿論、私、自身にも好みはあるのですが、それに固執するわけにはいきません。容観的な規準が求められます。

 毎日、眺めていますと、日によって印象が変ることがあるのです。ここにこそ、人の好みが現れるのですね。面白い事だと思っています。堂々とした豪華さを表わすのもあれば、小さく、まとまったものもあります。中には花が出過ぎたり、開花が早過ぎたり、遅過ぎたり、様々です。どれか一つを選ぶなんてことは出来ません。これが魅力でもあるのです。その数多くの中から、自分に一番ふさわしい株を選ぶ、こんな嬉しいことはありません。ストレリチアの優秀品種は遺伝が安定していますので、環境の変化に耐え、同じ美しさを表現してくれるので喜ばれています。