ストレリチア栽培では、地植えでは20年以上も植え替えしませんが、鉢植えの場合は2、3年後と頻繁です。普通は根が廻り過ぎ、株も殖えたから鉢を変えると思いますが、実は、もう一つ、鉢と草型のバランスが崩れたのを補正する意味もあります。最初、ストレリチアを植える時は、よかれと思って植えるのですが、必ずしも、そのように育つとは限りません。生き物には、それぞれに都合があるからでしょう。そこで間違ってしまった育ち方を修正してやるのです。
その状態も定まったものではありません。大きく育つだろうと思って植えたのに、一向に大きくならないので、仕方なく小さな鉢へ戻すこともあれば、株が分れて姿が乱れてしまったので、株分けして小さな鉢へ戻したり、と事情次第で様々です。このような処置が、優れた姿のストレリチアを産みだしているのです。それには、手がける人の側にお手本となる理想のモデルがなければなりません。ただ、やれば良いというものではないのです。それには普段から優れたスタイルのストレリチアの姿を見て勉強しておかなければなりません。
栽培とは、ストレリチアが勝手に育つのではなく、栽培者の理想の実現でありたいものです。

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