ストレリチア秘話No.303 ストレリチア寒さへの抵抗力その二

以前、ストレリチア植物体の部分によって寒さへの抵抗力の差があることを述べましたが、今回は、その続きです。花に続いて凍るのは葉ですが、これが一様では無いのです。古い葉が真っ先に凍り、新しい葉ほど強く、最新の葉が最後まで頑張ります。これは生きていく上での必要なランクを表わしていると思えます。この差を生み出しているのは、細胞液の濃度にあるようです。植物が凍死するのは、細胞液が凍ることを意味します。細胞液の濃度が高ければ凍りにくく、薄く、水に近ければ凍り易いわけです、ストレリチアも生き残るために、あの手、この手で対抗手段を用意しているのが良く分かります。

 この程度の凍害では枯死することはなく、春になれば新芽が伸び出し、秋が来る頃にはほぼ、元に近い姿に戻っています。自生地の環境では、まず、こんなことは起きないでしょうが、遠く離れた土地へ進出すれば、こんなひどい目に会うことを想定しているんですね,そのしたたかな戦略に敬意すら感じてしまいます。

 凍る被害の程度にも段階があります。軽い寒さなら、大したことはありませんが、ひどい場合は新しい葉さえ、やられてしまうことだってあります、でも大丈夫、立ち直ります。それ以上の寒さでは耐えられず、枯死してしまうかもしれませんが、私は、まだ、こんなひどい状況には遭遇したことは、わずかしかありません

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