ストレリチア秘話No.122 ストレリチアの品種と持ち主との相性

 今回は最高レベルの話題です。誰でもがこの境地に達しているわけではありませんから読み飛ばしてくださっても構いません。ストレリチアとの付き合いが長くなると、結果として数多くのストレリチアと接することになります。そのうちに、客観的な基準の善し悪しとは別に、どことなく惹かれる品種が出てくるものです。こうなると、その株に対する愛着はひとしおとなってきます。こうなったら、この人はストレリチアとの付き合い、最高レベルに達した、といえるでしょう。

 良く殖えて喜ぶのは、初歩の頃にあることで、ここでは、そんな間違ったことは問題にしません。花で言えば、赤みの強いもの、緑の入ったもの、様々な色でにぎやかなもの、堂々とした立派な姿、反対に極く小さく可愛いいもの、と好みは人、それぞれでしょう。私にも心惹かれる株があります。オレンジ花のパービフォリアで花は*****星で文句なし、しかも、やや早咲き、姿も中型で整っています。際だった特徴は、花立ちが良すぎて殆ど株が殖えないことです。毎年、必ず花を見せてくれ、株が殖えないので邪魔になることもなく、安心して付き合えるので気に入っているのです。これは『酸いも、甘いも噛み分けた』ベテラン好みの花、と言って良いでしょう。このように人の心を虜にしてしまう品種だってあるのです。それは、その人だけの思い込みだ、といわれかねませんが、それはそれで楽しんでいるわけですから、いいではありませんか。