ストレリチア秘話No.137 ストレリチア 『お姫様』待遇から「雑草」扱いまで その1

 私は、よく使います。「ストレリチアにはピンからキリまであるんですよ」と。これは性能、品質についての説明で、、、そうそう近寄ることも難しい「スター」から、雑草級まで、あるというこです。しかし、ここでは、扱い方の差について使おうと思います。

 寒冷地では、ストレリチアは、否応なく、お姫様扱いをしなければ育てられません。それに引き換え、私の住む南房総の海岸地帯では、露地栽培が出来る地域もあります。それでも、完璧な条件ではありませんから、扱い方で差が出てしまいます

 或る店の前に数鉢のストレリチアが置かれていました。数年前のことです。初めの頃は、よく花を咲かせて店の前を賑やかに飾っていました。それが2,3年後になると元気がなくなり、花もまばらにしか見られなくなってしまいました。持ち主が、あまり、面倒を見なくなってしまったのです。それでも、ストレリチアは丈夫な植物ですから、耐えていますが、もう、最初の頃の面影はありません。近くの家の前にも二軒、同じよう鉢が置かれています。きっと、殖えたものをもらったのでしょうが、やはり、面倒を見てもらえず、哀れな姿をさらしています。

 そこから、数十m、坂を下ったところを車で通りかかった時のことです。チラッと目に入ってきたのが、本物のストレリチアの姿でした。私は改めて自転車で見に行きました。気になって仕方なかったのです。のぞくのは失礼ですから、通りがかりに見るだけです。小じんまりとした家のブロック塀に囲まれた狭い庭に、そのストレリチアは植えられていました。花は、まずまずの品質ながら、花立ちが多く、粗末とも言える環境のなかで、ひときわ輝いていました。私は、ストレリチアの在るべき姿を見た思いがしてきました。持ち主の人柄さえしのばれるのです。