ストレリチア秘話No.155 ストレリチア 第二の故郷は日本です!

 ストレリチアの故郷、南アフリカでは、昔ながらの自生地が次々に失われてきています。土地開発のためです。全滅とはいわないまでも、めぼしいところは消えてしまうことが心配されています。それに引き換え、我が国、日本では、ストレリチアの栽培が広まりつつあります。まだ、徐々に、と言う程度ですが、大きな希望がもてる状況といえましょう。

 実は我々、人類、『ホモ サピエンス』も同じような境遇をたどりました。アフリカ大陸の東側を北から東南部を縦に走る「大地溝帯」で進化したサピエンスは、約7万年前に故郷を離れ、北へ向かい、最終的には世界中に広まっていった、とされています。何と、ストレリチアと、そっくりではないですか。違いはサピエンスは自分の足で移動したのに、ストレリチアは人に運んでもらったことですが、これは、動物と植物の違いで当たり前のことです。

 人類は他の動物と違い、幅広い適応性をもっていて、新しい土地に適応出来る才能を持っていました。この点でも、ストレリチアの優れた適応性は似ています。

 人類は何回にも分かれてアフリカを出たようです。ホモ エレクトス、ネアンデルタール人その他、と続き、最後がホモ サピエンスとされています。ストレリチアも似たようなもので、いくつかに分かれて日本に入ってきました。なかでも、ミスター スズキに率いられた一族は、際だった特徴をもっているので中級以上の実力があれば判別できるでしょう。それは花の首が長いことです。赤く染まるのも珍しくありません。美しさに差がある?それを言うなら、人類だって同じこと。個性の差、と言い換えれば角が立たないでしょう。

 故郷を離れて新しい天地へ移住してきました。環境条件には、少々、不足もあるでしょうが、自生地の暮らしだって完璧では無く、我慢してきたのですから、そう大きな違いがあるとは思いません。そこはストレリチア特有の適応性が発揮されることでしょう。

クウレハ川自生地