ストレリチア秘話No.157 ストレリチア生長の行き着くところ  その1

 ストレリチアは無限に生長を続けるわけではありません。上り坂を経て頂点に達しますと、次は何をするのでしょうか?まさか、下り坂になることは無いでしょうが。答えは「備蓄」にエネルギーを注ぎ始めるのです。

 この生き方は自生地の気候への対策であって、感心させられますが、栽培上では喜んでばかり、いられません。株が繁り、根茎が縦横に張り巡らされれば、どんな厳しい日照りの年が巡ってきても耐えることが出来るでしょう。しかし、それは自生地でのことであって、私たちの栽培上では、こんなことは起きませんから、備蓄倉庫を持つことは必要ないのです。それどころか、備蓄に力が回るせいか、花は小さく、数も減るのです。かえって、困ることでもあるのです。根茎が増えて養分、水分の量が十分になっても、それが貯める方へ向いて花に回ってこないのでは迷惑なのです。

 そこで株分けをして、小さく、若返えらせて、改めて上り坂に向かわせる必要が出てきます。また、やり直しさせるのです。この過程では、どちらもホルモンが働いているものと思っています。肥料、その他、面倒を見るのが有効なのは、頂点に達するまでの過程でのことなのです。

 この点、配慮が要らないのが、花立ちが良すぎて、株が殖えない系統です。余分な手が掛らず、毎年、同じ状態を続けてくれます。

「さすが、優秀品種!」

と叫ばずにいられません。