ストレリチア秘話No.188 パーヴィフォリアという生き方

 近頃、パーヴィフォリアと呼ばれるストレリチアに人気が出てきているようです。これはレギーネを見飽きた人々が次のストレリチアを探し求めた際、いきなり葉の無いジャンセアでは違和感を持つらしいのです。植物は葉があるものとの先入観のせいでしょう。その点、パーヴィフォリアには可愛い、小さな葉が付いていますから安心感があります。

 このパーヴィフォリアは、少々、変わった存在でレギーネからジャンセアへ進化する途中の存在と考えられています。このためか自生は非常に少なく、東ケープ州、パテンシーのヴェンスター ファームの一角にしか存在していません。農場は川沿いの平野にあり、その西側の丘、つまり、裏山にあたる場所で、麓にはレギーネ、中腹にパーヴィフォリア、そして頂上にジャンセアと棲み分けています。これは土地の乾燥具合によって進化したことを示しているとみてよいでしょう。つまり、パーヴィフォリアもジャンセアも、ここで生まれたのです。とは言っても、これは仮説ですが。

 パーヴィフォリアは中間種なのですが、それは姿だけではありません。ジャンセアの短所は育ちが遅いことに加えて花立ちも、やや少ないことが挙げられますが、パーヴィフォリアは、この弱点を見事にクリアーしてくれているのです。レギーネの長所をちゃんと受け継いでくれています。花の美しさについても文句ありません。

 葉の形や大きさの変異は様々です。レギーネに近い大きさから無葉のジャンセアに近い小さな葉までありますから、好みに合わせて選べばよいでしょう。ただし、これは選ぶに足るだけの量のある場所でのことです。