ストレリチア秘話No.192 ストレリチアの分けつ 

 ストレリチアは、苗のうち株は1本でも、年数がたつうちに一株が二株に分かれ、またそれが二株にわかれ、と株がふえていきます。やがて、それが10年もすると、賑やかな株立ちになってくるのですが、このころになりますと個性の差がハッキリとしてきます。つまり、賑やかに密生した株立ちもあれば、わずかしか増えず、スッキリした姿もあるように、様々に分布が進行していくのです。

 初心のうちは、よく殖える株のほうが好ましく、早く株分け出来るので喜んでいるのですが、これを何回か繰り返している内に気づいてきます。このような株は殖えることはよくても、花立ちのほうは一向によくない、ことにです。程よく殖えるのは結構ですが、殖えすぎるのは避けた方が無難です。見ようによっては、花に養分を使わないので、その分のエネルギーが株の殖えるほうに回るのだと、考えることも出来るでしょう。

 株立ちの少ない系統は、花立ちも良く、花もしっかりしていることが多いのです。このような株を手に入れるには、自分の目で確かめるしかありませんが、それにはしっかりした目を持つことが必要です。なぜなら、株分けしたから株は少ないのか、元々、株は少ないのか、を見分けなければならないからです。(この秘訣をこっそり教えましょう!それは花が数多く出ている株を選ぶことです。これなら間違いありません。でもねー。そこを選ぶだけの数があれば、の話です。)