ストレリチア秘話No.204 サバイバル ストレリチア 生き抜くストレリチア

 ストレリチアの自生地は皆、小高い丘にあります。広々とした平野には全然、ないのです。これには訳があったのです。聞いたところによりますと、アフリカ南部の自然災害で最大なものは「大洪水」なのだそうです。数十年前、或いは数百年に一度ぐらいの割で起きるのだそうです。これでは、例えストレリチアが平野にあったとしても流されてしまったことでしょう。我が国では、雨量が100ミリを超えると大騒ぎになりますが、これがアフリカでは1000ミリも珍しくはない、とのこと。丸っきり想像もつきません。

 日本では、毎年、台風被害が起きますが、ストレリチアは、その程度の暴風雨ではビクともしません。沖縄では台風の長雨が続くと、腐敗病の発生がありますが、これだって水はけのよい斜面では起きません。寒さの害はありますが、それだって東京以南では対策の取りようはあります。つまり、致命的な災害はない、といえましょう。

 こんなことから、廃屋の庭にストレリチアが取り残されたままになっていたり、持ち主が面倒を見なくなってしまった鉢植えが、情けない姿になりながらも生きている、ということまで起きてくるのです。事はごみ処理問題に近いことになっています。ストレリチアは丈夫な植物ですから、放りだされても、そう簡単には枯れないのです。これはストレリチアの困った一面です。