ストレリチア秘話No.207 ストレリチア奥義 そのⅡ これであなたはストレリチア名人 「ストレリチアの花は粉(こ)を吹いている」 その2

 果実にも、花にも、粉を吹いているものが多いようです。ということは、これに何らかの意味、働きがあるのだろうと思うのですが、未だに解明されていません。強い紫外線から守るためなのか。雑菌を防ぐ働きをしているのか、わかっていないのです。一つだけいえるのは、粉があることで、なまの色ではなく、奥行きのある、柔らかい色調になることです。

 このことに注意が払えるようになれば一人前です。というものの、苞に粉がついていることなど、だれが見たってわかります。そこです。何とはなしに見過ごしてしまうことに大きな意味を発見することは、それなりのレベルに達していなければ出来ない事柄なのです。びわの箱詰めが、まさにその通りでした。一つの話が伝わっています。ある素人にやらせたら、びわの実を布できれいにぬぐってピカピカにした状態で詰めたのをみて、皆に大笑いされてしまった、ということです。びわは、粉を吹くことで柔らかい色調となり、おいしそうに見えるからなのです。

 さて、ストレリチアは葉も茎も硬いクチン質に覆われて、まるで武士が鎧をまとったかのような頑丈な姿をしていますが、花はデリケートなのです。「花の生死は雌しべ表れる」に続いて、「苞は粉を吹いている」ことを知って扱えるようになれば、あなたは、「ストレリチア名人」です。