ストレリチア秘話No.217 ストレリチアの開花と日光

 前の章 NO 216 でストレリチア生育の第一条件は日光であると述べましたが、これには補足する必要がありました。ストレリチアにとって日光がどうしても必要なのは成長期の約半年であって、 後の半年は成長を止めて休んでいますから、そう多くは必要としていないのです。 つまり、 室内へ取り込んでも大丈夫ということになります。それでも、真っ暗闇でもよいわけではなく、 植物として、 或る程度の明るさが必要なのは当然のことでしょう。理想は縁側のガラス越しかサンルームですが、 そこまでしなくても何とかなります。

 これでストレリチア栽培は万々歳かというと、 まだ、 次の問題が控えています。 手持ちのストレリチアが冬咲きの蕾をつけている場合は簡単ではありません。そのままでも開花には問題ありませんが、 花色がキレイに出てくれないのです。 ストレリチアの花を形成する原料は前もって用意さてはいるのですが、 発色のためには日光、 特に紫外線の働きを必要とするらしいのです。 この影響を大きく受けるのが苞で、 あの赤い色を出す色素 「アントシアニン」が生成されないと、寝ぼけた色になってしまいます。

 このために冬でもストレリチア本来の花を見ようとするなら、 外へ出して直射日光にあてなくてガラス越しであっても、日光に当てなければなりません。 長い時間でなくてもいいのです。 ストレリチアは贅沢はいいません。 わずか2、 3時間でもいいのです。

やはり、ストレリチア栽培は一筋縄では、 どうにもなりませんでした。