ストレリチア秘話No.220 ストレリチア自生地の土

 ストレリチアの自生地、南アフリカを訪れるようになった初めの頃の私は、ストレリチアは荒れ果てた原始からの土地に生きている、と思っていました。事実、そう見えていたのですから仕方ありません。ところが何回も通っているうち、植物研究者から、「ストレリチア自生地の土は、植物が必要としているミネラル分を十分に保持している」と聞かされ、改めて目が開かれた思いがしてきました。「不足しているのは水で、十分な雨さえ降ってくれれば文句ない条件となります」と聞いて、 ジャンセア自生地、パテンシーの丘の麓の農地で野菜が見事に栽培されていたのを思い出しました。 そこでは川からくみ上げた水を大きなスプリンクラーでシャワーのように撒いている風景に出会ったことがあったのです。 そこの野菜は大きく、みずみずしく育っていました。ストレリチア自生地は荒れ果てた土地だ、と思っていたところ、なのですよ。私は、よく、

「自分の目で確かめてストレリチアを選んで下さい」

と言ってきましたが、 少々、自信がなくなってきました。自分の目、といっても、それは、その人の実力の範囲内しか見えないのです。見ることは確かに必要ですが、そのためには、つぎつぎに自分を高めていかなければならないのです。

ストレリチア栽培も奥が深いですねえ….。