前章にてストレリチアといえども弱い部分がある、と述べましたが、今回は、その続きです。ストレリチアの成株は強いのですが、子供の頃、生まれたての幼い頃は弱く、細心の注意が必要です。
まず温度。ストレリチアの成株は0°Cまでの低温に耐えますが、幼い苗は細胞液の濃度が薄くて凍りやすく、2°C~5°Cぐらいを保つ必要があります。
次が肥料。成株は有機質肥料であれば非常識なほどの量をやっても平気ですが、幼い葉は、ほんのわずかでも適量を超えれば新芽が黒変する傷害が起きてしまいます。ストレリチアはイネやムギと同じ単子葉植物ですから、子葉は一枚です。この葉は薄くひ弱ですが、この頃は、まだ肥料を必要としていません。次の本葉が出てから肥料をやり始めるのですが、最初は、ほんの少し、様子を見ながらやればよいのですが、限度が見極められなくて失敗が多いのが普通です。例え、黒変が発生しても、次の芽は健全ですから、そう、気にすることもありません。この時代は、まだ、花は関係ありませんから、リン酸肥料は、まだ考慮しなくてよく、油カスだけで十分です。
鈍感なストレリチアを相手にしているとはいえ、ベテランは、結構、気を使っているものなんです。