ストレリチア秘話No.400 世界にひとつしかないストレリチア 一品もの

 「ストレリチアって、みんな同じようなものでしょう」などというのは、かけだしの初心者であって、だんだんと様子がわかってくると、それぞれに違いがあることがわかってきます。私は以前、「世界で誰も持っていない優秀品種を下さい」

 というお客さんの相手をしたことがありました。勿論、私の所では、それに応じられるだけの品はありましたから、満足して頂くことは出来ました。

 世に優秀品種は数あれど、それが、まだ株分けされたことのない一品ものなのか、それとも、分けられて、すでに、いくつもある品なのかは、普通は見分けがつかず、知っているのは当事者だけなのです。しかも、一品ものとは、実生から生まれてくるものですから、交配、作出者のところでなければ手に入るものではありません。ここまで趣味に凝るとは、もう、脱帽するしかありません。一品ものとは、持ち主が手放さないかぎり、世界に、ただ一つしかない「お宝」なのです。但し、これは、あくまで優秀品種のことであって、中級以下の普通品では、ここまで区別することはありません。

 ストレリチアを等級に仕分けするには、様々な基準がありますが、トップレベルになると、こんなことまで起きてくるのです。まあ、一般の趣味の人には関係のない事柄ですが、やがては、そこまで深入りするようなことが起きないとは限りません。最高水準の品は植物特許の問題がからんできますから難しいのですが、チャンスは無いわけではありません。★★★★★星クラスは、相当な困難に出会いますが、狙い目は★★★★星クラスです。この程度でしたら、余分な価格もつかず入手出来るかもしれません。物の価値を決めるのに希少価値もあることですから、ストレリチアも、これから逃れることはできないのです。

それにしても、「こんなことまで起きてくるなんて?」が私の感想です。