ストレリチア秘話No.425 ストレリチア開花期のずれ

2023年の秋は、今まで、あまり例のなかったほどストレリチアの開花が早かったのです。首を捻るのは、レギーネよりジャンセアの方が変化が大きかったことです。

ジャンセアユイテンハーグは今までは几帳面とも言えるほど年末に開花していたのですが、この年は1ヶ月以上、早く11月中旬から咲き始めました。株分けがしてあり、何鉢も同じものがあり、中には遅れた鉢もあり、こちらは年を越した1月になりました。

 ストレリチアの開花期に影響を及ぼすのは二通りあります。1つは花芽の形成の早い、遅いに夏の高温がかかわります。2つ目は花茎が伸びる秋の気温の上下があります。2023年の秋は記録的な高温が続いて、25°Cの夏日が11月中旬までありました。なかなか寒さがやってこなかったのです。

 これでジャンセアユイテンハーグの開花の早まりの原因はわかりました。次は、ジャンセアゴールドカノープスの花芽が伸びてきて開花が近いのに驚いています。こちらは必ずしも秋の高温が原因だとばかりいえないのです。初花の開花は4月だったので、この品種は遅咲きと思い込んだのです。2回目は3月でしたが、まあまあ、そんなに大きな違いはありません。ところが今回は11月末か12月初めには咲きそうなのです。これは、初花の頃は、まだ株が未成熟で気まぐれに花を出していたのが、成熟するにつれ、本来、品種の規定された開花期に近づいたとするのが正解でしょう。

とはいえ、ストレリチアの開花期は固定していません。+−、一か月の揺れ動きが年によって起きると見た方がいいのではないでしょうか。早咲き、遅咲きがあるとはいうものの、そんなにキチンとしたものではないようです。それにしてもストレリチア全般が一様にこうだというわけではありません。やはり、大きな幅で揺れ動くのと、頑固に守り通すのもあります。やはり、ストレリチアにも個性があるようです。

いくら、鈍重、鈍感なストレリチアであっても、花は環境の影響を受けやすいので、こんなことが起きるです。これでは、0月0日に必ず開花させるなど器用なことは出来ません。ストレリチアは、こんな要求がくるほどの花ではないのが幸いです。