ストレリチア秘話No.568 気にしない、気にしない、ストレリチア

 栽培にあたってストレリチアを思いやることは大切です。しかし、そこには、人とストレリチアには、望む環境に違いがあることを把握しておく必要があります。これを間違えると見当違いなことをしてしまうからです。

・真夏の炎天下

私たち人間には、耐えられません。脱水症状を起こしてしまいます。ところがストレリチアは平気なのです。自生地の夏は、ジリジリと照りつける太陽の下、気温は軽く、40°Cを越え、時には半砂漠からの熱風が吹き付けてきます。こんなことが当たり前の環境に生きてきたのです。この中での光合成が花の養分となるのですから、気にしないどころか、ストレリチアにとっては必須の条件とさえいえるでしょう。それなのに、これを避けようとするのは初心者が陥りやすい誤解の一つです。

・ジャンセアの葉先が枯れる

普通の植物では、葉が枯れこむのは障害が起きた証拠です。ところがジャンセアにとっては、ごく普通の現象で、何の疑問もありません。葉が若い内は、葉の先端部分は緑色ですが2年を過ぎると、すべて枯れ込みます。それが当たり前なのです。ただし、なぜ、こんなことが起きるのかは私にもわかりません。

・切り花は、しばらくは水が無くても平気です

ストレリチアの花は、切った後、何日も水がなくても平気です。忘れてしまっても何ら解害は起きません。その後、活ける時に切り直せば何の問題もないのです。乾燥地帯の植物の花は、豊富な水など期待していないからでしょう。

・古い葉柄の跡が残りますが、

株には2年も前の葉柄が枯れても残ります。汚らしいと思うなら取去れば良いし、気にならないなら放っておけばよいのです。ただし、取去るのもほどほどに。最後の一枚は株元を紫外線から守っているようですから。