ストレリチア秘話No.596 活動の先端は成長点でも指令はDNAから?

 この章の論評は、私の推論による仮説であって確たる証拠を確かめたわけではありません。

 ストレリチアの体内で最も活動の盛んな場所は成長点です。一年を通じて活動を休むことはありません。冬の間は鈍りますが、それでも止まったわけではありません。私は、この成長点がストレリチアの活動の中心ではないかと考えています。葉や柄、花などの活動は、枝葉の先端部分の働きであって、株、全体の活動の中心は成長点にある、と見て良いでしょう。ところが、ここは活動しているだけで、その基となる指令まで担当しているとは思えないのです。

 では、肝腎、要の指令は、どこから来るでしょうか。私は細胞内にある染色体に乗ったDNAにある、と思っています。このDNAは様々な役割の分担があって、それぞれの指令を発していますが、それが独裁者の命令のような強力なものではなく、提案は最終的には合議制で決定されるように思えてならないのです。

 例えば、「花芽の形成」についてです。花芽の進行を司るDNA が花を出そうと提案しても、周囲の賛成が得られなければ実行に移せません。強力な反対派がいれば提案は否決されてしまいます。(花立ちの悪い株は、こんなことが起きているのかも知れません)

 人間世界の政治に例えてみましたが、植物には、どこを探しても司令塔が見つかりませんので、合議制だろうと思うのです。強力なレーダーシップがないために、時には暴走してしまうことも起きますが、どんな政治システムにも長所、短所がありますから、これは仕方ないでしょう。