ストレリチア秘話No.975 「ストレリチアにも人工化が」 少子化は人間だけではありません

 つい、この間まで、

「ストレリチアは遅れているなあ、まだ、こんな素朴な段階なんだから」と嘆いて居たのに、気がついてみると、いつの間にか人工の波に飲み込まれていたようです。

 ストレリチアは外側から見ると、何も変っていないようにみえます。でも育種家の私には遺伝の段階に既に変化が始まっていることがわかるのです。

 それは採取する種子の量が激減していることなのです。50年も前の南アフリカの園芸書には、

 「ストレリチアの種子は一莢に60粒入っている」と書かれていました。交配種はこれほどでなくても原種は多く、確かに、その通りでした。

 その後、私も採取をするようになりました。初めはオレンジ レギーネで問題なく数多くの種子が採取出来ていましたが、黄色種になってから少なくなってきたことに気がつきました。それでも、問題になるようなことではなかったのです。それが最近、ジャンセアゴールドの交配から様変わりして採種の激減が始まったのです。未だ今のところ、交配の相手次第で差がありますが、何時のまにか種子の数が極端に減ってきているのは確かです。

 私としては大量生産が目的ではありません。実生の中から優秀品種はわずかしか出ませんから基礎となる数が多い方が望ましいからだけなのです。このように少子化の方向に進むのは、これ以上、数はふやしてもらいたくない、との自然の意志の表われかも知れないとも思えてくるのです。

 どうもストレリチアは大変な時代に突入したのではないかと思われます。