ストレリチア秘話No.1081 ストレリチアの生き方を知る

 ストレリチアの生長は呆れるほどゆっくりです。ストレリチア栽培の第一歩は、この性質に慣れることから始まります。でも、これは簡単なことではないのです。何しろ、今まで経験してきたのは、せいぜい、みるみるうちに育つ野菜や草花で、それが身に染みこんでいますから、いきなり、常識を変えることは難しいのです。

 では、ストレリチアは、ゆっくり、のんびり、遊んでいるのでしょうか、そう思うのが誤解の始まりです。苛酷な自生地の環境を生き抜くために、そう、こんなたやすくすることはストレリチアに許されているはずがありません。育ちが遅いのは、他の作業も同時に行なっているからなのです。

 それは、楽に生きられる現況を越える厳しい環境条件がやってきても耐えられる体ずくりです。強風や乾燥に耐えられるよう外皮を硬くしたり、細胞液の濃度を上げたりして全体を締まった状態に仕上げねばなりません。自生地の環境が、そのような変化の到来を予想させているのでしょうか、少なくとも、ストレリチアは準備をしているのです。

 栽培に当って我々は、ストレリチアの、この二重性に対応しなければならないのです。これが常識を越えなければならない原因と知るべきでしょう。ストレリチアは千年を生きられる準備をしています。それを百年足らずの人間が対応するのですから、食い違いが起きるのは仕方ありません。早く慣れるしかないのです。