ストレリチア秘話 No.7 選ばれた名品のかげには

クウレハ川自生地

 私は今までに約2000本のジャンセアの苗を養成してきました。その中で花立ちの悪いのが50%近くもありました。それに加えて、*星以下の花の質の劣るものまで含めると、70%近くを使用に耐えず、と落第としてきました。これは、レギ~ネと比べると大変に成績が悪いのですが、優れた親株が少なかったので仕方のないことでした。それでも、残りの株には、驚くほど花立ちの良いものもあり、輝く花色の個体も少なくありません。 

 ジャンセアで困るのは、花を出し過ぎると、翌年は休まれてしまう事も多いことですが、これは、製造する養分が少ないために起きることで、仕方ないことでしょう。この欠点を補うには、数を多く持つしかありません。

 ストレリチアを手に入れるには「宵越しの銭は持たねえ」の気っぷの良さで、その年に稼いだ養分は全部、吐き出してしまう形質を持った株を見つけることです。間違っても『守銭奴』のような溜め込み専門で、花に使おうとしない「貯蓄型」は避けなければなりません。そのためには、やはり、自分の目で確かめることです。とは言っても、目が確かでなければなりませんが。