ストレリチア秘話No.26 ストレリチアの好み

 私は仕事柄、大勢のお客さんの相手をしています。皆さんのストレリチアに対する好みは様々です。堂々とした大柄な株を望む人もいれば、小柄でこじんまりとした可愛いものを喜ぶ」人もいます。花も、ストレリチアでありさえすれば良い人もいれば、最高に美しくなければ気が済まない、人もいます。値段も、安ければ安いほうがいい、という人もいれば、お金に糸目をつけず、いいものを望む人さえいるのです。

 私は立場上、偏った好みを持つことは許されません。それでも、数多くのストレリチアを見てきた経験上、自分の好みが出てくるのは避けられません。華やかな花に惹かれてしまうのです。震いつきたくなるような気分になってしまい、他の条件はどうでもよくなってしまうのです。但し、最後まで自分で持っていたい、という独占欲は薄いようです。つまり、評論家であって、蒐集家ではない、ということかもしれません。これは、研究家としての資質の点で、まあ、悪くはないと思っています