ストレリチア秘話No.28 江戸っ子ふう ストレリチア

 私は道の駅「大津の里 花クラブ」で長い間、ストレリチアのお客さんの相手をしてきました。その中で一番多かった質問がありました。

「私の持っているストレリチアは、何年も花を出してくれません。どうしたら良いのでしょう」

と。私の答えは決まっています。

「1年草なら、十分な養分が貯まれば花は出ます。しかし、ストレリチアは違うのです。花を出す命令は遺伝子、つまり、DNAによるのです。花立ちの善し悪しは、株を手にいれた段階で決まってしまっています。これは栽培技術でどうこう出来る問題ではありません。」

 つまり、大事なのは花立ちの良い系統を手に入れることなのです。

「宵越しの銭は持たねえ」

と、働いて得た養分は全部、花に消費してしまう、いうことなのです。だから、間違っても、稼いだお金は貯め込むばかりで、決して使おうとしない「貯蓄型」の株を手に入れたてはならないのです。たとえ、どんなに安かろうと一生の不作になってしまいます。

 江戸っ子ふうストレリチアを手に入れるのは、そう難しいことではありません。花の季節なら、簡単に見分けられますし、花のない季節でも前の年の花の跡を見つければ良いのです。やはり、自分の目で確かめる、これが大事なのです