ストレリチア秘話No.31 ストレリチアを種子から育てる その2

 ストレリチアを種子から栽培しようとするには、遺伝学の素養が必要になります。ストレリチアは稲や小麦とは違い、果樹や野菜と同じだということをわきまえなくてはなりません

 稲が風媒によって親と同じ子供が生まれるのは、同じ交配をくりかえし、遺伝を同質化、つまりホモジナイズした結果によるものです。これに引き換え、一般の植物は、遺伝は、その1代限りで、安定じしたものではありません。自家受粉をすれば、子供は親と同じではなく、先祖帰りを起こしてしまうのです。これは「メンデルの法則」が教えてくれています。だから、果樹などでは、純系は「挿し木」で増やしているのです。野菜では、一代交配の雑種の種子を種苗会社が売り出しています。この種子を自分で採って植えても、親の性能と同じにならないのです。

 ストレリチアも自家受粉をすれば、大抵は劣化を起こしますから、どうしても必要な場合以外は行いません。

 とにかく、ストレリチアを種子から始めようとするからには、それなりの素養が必要なので、あまり、簡単には考えないことです。

クウレハ川自生地