ストレリチア秘話No.32 ストレリチアの根と根茎

 ストレリチアの根と一般に思われている部分は、実は地下の茎、根茎なのです。本物の根は、そこから出ている細い枝とその周りに生えている根毛、ヒゲ根なのです。このヒゲ根はもろく、植え替え」時に土といっしょにポロリと取れてしまうので気がつかない事が多いようです。従ってNo.24で述べた茎と根の付け根が急所、という表現は、正しくは「地上茎と地下茎の接点となります。

 さて、この貯蔵根とも呼ばれる地下茎は、養分、水分の貯蔵庫なのですが、主な目的は干ばつが続いた時に備えた備蓄倉庫なのです。ですから、普段は、そうそう働いているわけではありません。このことから、植え替え時に、ばっさりと切り落としても、そう大きなダメージを与えないのです。私たちの栽培では、水や肥料は、いくらでも補給できるからです。

 水やりが少なかったり、忘れられた場合、この根茎が驚くほど成長して増えます。これは「これは大変だ!乾燥に耐える準備をしなければ」と、躍起に守りの姿勢に入るからです。

 根茎が育ち過ぎるのは上手な栽培ではありません。植え替え時にバッサリ切り落として下さい。